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ガリ版印刷

10/1/2019

 
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小学校の学級便り」や「小テスト」や「文集」などはガリ版(謄写版)で刷られていた。うっすら記憶に残っているガリ版に再び出会ったのは、2015年に版画美術館(町田市)で開かれた謄写版講座だった。
 鉄やすりの上にロウ原紙を置き、鉄筆でガリガリとロウを削っていく地味な作業。これがとても面白くて、講座終了後にネットオークションで印刷機、鉄やすり、ロウ原紙、鉄筆などを落札。申年の年賀状はガリ版で作成した。

 その後、朝日新聞の「声」欄で、ガリ版の思い出を綴った投稿を見つけた。「今後使うこともないので処分する」と書かれていたので、新聞社経由で手紙を送ってみた。処分するなら譲ってほしいと。
 1カ月後、投稿者のOさんから届いたメールは「家族がすでに処分してしまった」という内容だった。Oさんが投稿してから新聞に掲載され、わたしの手紙が新聞社経由でOさんの元に届くまでに、ずいぶん日にちがあったのだと察した。

 Oさんからメールが来たのは、半年ほど経った頃だったか。わたしもすっかり忘れていた。そこには、処分したと思っていた鉄やすりが残っていた、と書かれていた。
さらにその1年後、B5サイズのガリ版印刷機が出てきた、とのメールをいただいた。

 受け取りのため、Oさんとは2度お会いした。70代の男性で、元小学校教師。小学生のとき尊敬する先生に出会い、教師を志したこと、2代目のB5サイズのガリ版印刷機は色刷り用に求めたこと、毎晩、生徒の絵をロウ原紙に写しイラスト入りのお便りを刷っていことなど、柔和な表情で話してくださった。

 ガリ版印刷機は本当によくできているなあと感心する。
どこでも持ち運んで刷れるように、スクリーンと刷り台とインクパッドとローラーがコンパクトに収まっている。一枚刷るとスクリーン枠跳ね上がり、紙は次々刷れるように何枚か重ねて挟む仕組みで、作業効率も考えられている。

 コピー機やPCプリンタで同じものを大量に一瞬で刷れる便利なデジタル時代に、刷ってみないと出来がわからないガリ版のワクワク感はたまらない。
紙(刷る素材)を選ばないのも、ガリ切りの状態によって刷り上がりが微妙に変わるのもガリ版のおもしろさだ。
 手間をかけてできあがるものには、愛情が入る。
ガリ版印刷を出して作業をするたび、O先生の生徒に対する愛を感じている。

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    grulian's journal

    ぐるりのかかわりをシンプルに、ひっそり世界とつながりながら暮らしたい。
    模索する日々のできごと、胸のうちを気の向くままに。
    タイトルの「手考足迷」は河井寛次郎の「手考足思」に敬意を表して。

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