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こたつの思い出

11/28/2019

 
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こたつに入ることがほとんどなくなった。
こたつのある暮らしから訣別したのは、社会人になったころ。当時はひとり暮らし。こたつに入ると出るのが億劫になり、何もしなくなる。布団を敷くのも面倒になり、朝までこたつで寝たことも何度か。。。

 子どものころ、実家には掘りごたつがあった。お風呂を薪で沸かしていたので、その燠をごたつの下に入れて熱源にしていた。
 格子状の覆いはあったと思うが、なかなかデンジャラスな仕組みだった。うっかりこたつに潜り込んで眠ってしまったら、一酸化中毒になる危険もあるし、火傷や火事の原因になることも。じっさい軽い火傷くらいはしたような。それでも、掘りごたつで宿題をしたりみかんを食べたり、こたつでまどろむのが好きだった。こたつに入って過ごす時間は、温かく、ゆっくり流れていた。

 こたつを手放して、生活はどんどん忙しくなった。時間を節約できる便利な機能が付いた電化製品を手に入れても、自由な時間は増えず、むしろ忙しさが増すばかり。どうしてなのだろう。
 勝手な推測だけど、時間がデジタル表示になったことにも関係がある気がする。
 最近の家電にはデジタル表示が標準搭載されている。使う度、見る度、数字で表された時間が目に入る。気にしていなくても、意識に勝手に入り込む。デジタル家電が、分刻みから秒刻みの生活へとひとを駆り立てた。

 掘りごたつがあった実家の居間には、ねじ巻き式の柱時計があった。そのうち電池式になったけど、それは数字ではなく針の角度で時間を見ていた。炊飯器や電子レンジがない時代、調理は慣れとカンが頼りだった。
 このあいまいさ、揺れ幅が、じつはとても大事なんじゃないかと思っている。
 慣れとカンは、その時々の気分にも左右される。その時々でできばえも変わる。均一化できないからこそ、味わうことのできる面白み。
 
 最近のこたつ事情はわからないけど、こたつがエアコンのように細かく温度設定できるようになったら、こたつの温かさは半減するような気がする。

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    grulian's journal

    ぐるりのかかわりをシンプルに、ひっそり世界とつながりながら暮らしたい。
    模索する日々のできごと、胸のうちを気の向くままに。
    タイトルの「手考足迷」は河井寛次郎の「手考足思」に敬意を表して。

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