Menu
  werkhaus ぐるり庵
  • Home
    • information
  • About
  • Works
    • 凸凹print work
    • design work
    • stitching work
    • writing work
    • lettering work
    • bookart
  • onlineshop
  • journal
  • Contact
  • Home
    • information
  • About
  • Works
    • 凸凹print work
    • design work
    • stitching work
    • writing work
    • lettering work
    • bookart
  • onlineshop
  • journal
  • Contact
画像

古びるということ

2/28/2021

0 コメント

 
誕生日が来るたびに、年齢の重さがずしりと響くようになった。
 その重さが大人の証明のように感じられた年代を過ぎ、やがて歳を取ることは老いて衰えることと同義のようになっていった。
 でも、と思う。
 歳を取ることは悪いことじゃない。確かに、記憶力や理解力、機動力や活動力、視力や肌つやなど、歳とともに衰えるものは多いけれど、失うものばかりじゃない。いいこともある。

 たとえば、記憶力が低下すると嫌なこともすぐに忘れる。視力が落ちてくると細かいところをあまり気にしなくなる。体型が崩れてスタイリッシュな服は着れなくなるけれど、からだを締め付けないから健康的になる。自ずと能力の限界が見えてくるから、人と比べて落ち込んだりしなくなる。

 要するに、歳を取ると、適度に力を抜いて、マイペースで心地よく生きることができるようになる・・・と、思いたい。

 使い込まれた古いものに惹かれるようになったのも、歳を取ったせいかもしれない。自分が古びたので、古いものに同調し始めたのだろう。
 若い頃は、「年季が入った良さ」というものがわからなかった。流行を追いかけていたわたしの目は、ものに刻まれた年月や背景を見ず、剥がれや欠けなどの老朽した部分だけを捉えていた。

 不思議なもので、自分が歳を取り、その老いを認めはじめると、身の回りの古いものが放つ「老朽力」に惹かれるようになる。機能的なピカピカの新品より、誰かが使い込んだ道具などに魅力を感じることが増えてきた。
 だいたい、最近の新しいモノは素材がちゃちで味がない。こういうものは、老朽化するとゴミになる。でも昔のものは、素材がいいから味になる。魅力が出る。そんなことに気がついた。

 来月またひとつ歳を取る。古びることで味がでる、古さが新しい魅力になる。そんな「お年寄り」を目指したいと思う。

​
0 コメント

あなたのコメントは、承認後に掲載されます。


メッセージを残してください。

    grulian's journal

    ぐるりのかかわりをシンプルに、ひっそり世界とつながりながら暮らしたい。
    模索する日々のできごと、胸のうちを気の向くままに。
    タイトルの「手考足迷」は河井寛次郎の「手考足思」に敬意を表して。

    categories

    すべて
    身の回りのもの
    制作するもの

    archive

    5 月 2022
    4 月 2022
    2 月 2022
    12 月 2021
    11 月 2021
    10 月 2021
    4 月 2021
    3 月 2021
    2 月 2021
    1 月 2021
    12 月 2020
    10 月 2020
    7 月 2020
    5 月 2020
    1 月 2020
    11 月 2019
    10 月 2019
    9 月 2019
    5 月 2019
    10 月 2018
    9 月 2018
    8 月 2018

    RSS フィード