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ドイツの思い出

10/3/2020

 
2020年10月3日は、ドイツの統一30周年だった。コロナ禍でたいして話題にもならなかったけれど、わたしはベルリンの壁が崩壊したその夜のことをこっそり思い出していた。

 89年の夏、ガイドブック制作のため、2週間西ドイツに滞在し、フランクフルトから南のエリアを廻った。
 そのときには予想だにしていなかった衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、11月9日の夜。編集プロダクションで、最後の校正作業をしていたときだった。テレビを見ていた人が「ベルリンの壁が壊れた!」と叫び、フロアは騒然となった。
 ゴールを目前に『西ドイツ』のガイドブックは宙に浮上。4カ月後、東部エリアの情報を合体して『ドイツ』のガイドブックとして編集し直すことになり、旧東ドイツの主要都市へ赴いた。

 ベルリンを訪れたのは初めてだった。西から東へ。28年間閉ざされていたブランデンブルク門を歩いて通り抜けるときは、外国人のわたしでも感慨深かった。東ドイツ圏に入ると、道幅が格段に広くなる。東独産の燃費の悪い小型車「トラバント」がカタカタと走り、通りの建物はみな煤だらけで、西側とは明らかに景色が違っていた。

「東西ドイツ統一」と歓喜する人々を映したテレビの映像と、目の前の光景はだいぶ違っていた。東の人たちはかなり動揺していた。ホテルや店を取材をすると、必ず尋ねられた。「そのガイドブックはいつ出るの?」「そのときにはこの店はもうないかも…」。「統一」ではなく「併合」のイメージが強かった。

 思い起こせば、1989年は民主化の波が一気に押し寄せ、世の中が大きく動いた年。天安門事件が起こり、チャウシェスク独裁制が崩壊したのもこの年だった。
 あれから30年。世界は未知のウイルスに震撼し、旧いシステムの問題が露わになった。再び転換期を迎えている。
 2020年の東京オリンピック・イヤーは幻に。この世には人智を超えた大きなうねりが存在し、人間はその力には逆らえない。こういうときは、時の流れに身をゆだねるしかないのかもしれない。
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    grulian's journal

    ぐるりのかかわりをシンプルに、ひっそり世界とつながりながら暮らしたい。
    模索する日々のできごと、胸のうちを気の向くままに。
    タイトルの「手考足迷」は河井寛次郎の「手考足思」に敬意を表して。

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